ブランクを経て復帰したピアノ弾きが
固定観念を破りながらやりたいことと向き合う過程を共有します

【クラシック】譜読み~完成までの段階別ポイントを伝授します!
耳→手でブレない演奏を。

こんにちは、カワグチです!

以前、耳コピのコツを
記事でご紹介させていただきましたが

よく聴くあの曲を弾いてみたい。カワグチ流「耳コピ」のコツを伝授します!

クラシック弾きなのに、肝心のクラシックを紹介していなかったなぁと思いまして
今回はポピュラー耳コピの続編として
クラシック曲を習得する流れをご紹介させていただきます(^^)/

クラシックで覚えるべきは
指の動き

クラシック曲を習得するコツとして
先に重要なポイントを書くと…

徹底的に手に記憶させるです!

耳コピの時のコツは
体に染みつくまで「とにかく聴きまくること」でしたが、
楽譜通りに弾くのがセオリーのクラシック曲の場合は、
指の動きを体に憶えさせるのがコツです!

指の動きを
無意識レベルまで落とし込むのがベスト

自転車に乗る時に、
わざわざどっちの足でどのくらいの力加減で漕ぐか意識しないのと同じように、
何か他のことをぼんやり考えていても、指が自動的に(?)動くのがベスト。

クラシック演奏に慣れていらっしゃる方であれば、
「今日学校でこんなこと言われたなぁ」とか
「あの人、あの服似合っていてかわいかったなぁ」とか
次の発表会で演奏しているステージを妄想したり
弾いている途中にぼんやり他のことを考えてしまっていた
という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

考えて「しまった」というより、
その境地になるくらいでいいのではないかと思っています(^^)b

無意識で動くと間違えにくくなる

意識で指を動かそうと命令しているうちは、
その意識の中に「失敗するかもしれない、どうしよう」という意識が混じってくると
失敗するようなパフォーマンスに寄せた命令が入ってきてしまったりと、
顕在的な意識や考えていることに左右されて不安定になりがち。

顕在的な思考と無意識はそれぞれ独立していますから
意識せずとも、半ば無意識で次の音に指が載るようになっていれば
パフォーマンスが緊張状態などのメンタリティに左右されにくくなりますし
曲の途中でつまづいたり、ど忘れしそうになっても、
中途半端な場所からでも再起しやすくなります。

無意識下でできるようになると、顕在意識をスルーできる

するけど、そちらに影響されにくい水面下の基盤ができます。

また、ここの境地に行くと
指だけの動きというよりは、体全体の動きとして形状記憶されるので
多少期間が空いても、少し弾いたら勘を取り戻しやすくなったり
肩や腕の動きでイメトレすることもできるようになりますよ。
(なんかうまく言語化できない)

エアピアノより効果的。緊張する本番前の待ち時間、何をする?【手汗対策にも◎】

その、指を迷わず動かすために、
まずは正しい情報として、楽譜を頭にインプットする。
という感じです(^^)b

クラシック曲を覚える流れ

と、先に結論をお伝えしたうえで
わたしがクラシックの曲を弾けるようになるまでの
具体的な流れは、以下のような順番です!

  1. 曲を聴いてイメージを持つ
  2. (楽譜あり)繰り返し弾いて耳で憶える
  3. (楽譜なし)繰り返し弾いて手で憶える
  4. インテンポに仕上げる

※これが絶対的な正解ではなく、むしろ個性的な方法だと思います。
人によって色んな方法や得意不得意があるでしょうから
あくまでこんなやり方もあるよと、ご参考にしていただけたらうれしいです!

1.  完成された曲を聴いて
イメージを持つ

ピアノ教室で用意してもらった練習を弾く時は別の時もありましたが
今は自主的に弾きたい曲を自分で選んでいるので、
まずは「この曲いい!弾きたい!」と思うことから始まります。

弾く曲はどうやって決めているかと、ピアノを弾くために飛行機をとってしまった…!

それで、できるだけ良いなと思ったり
自分が好きだと思う表現方法をしている演奏家さんの演奏をどっぷり聴きます。

曲との出会いはたまたまなことが多い

たまたま聴いたワンフレーズだったり
前から知っていたけど、今の気分にちょうどよかったり
好きなピアニストさんが弾いていて、かっこいいなぁと思ったり
弾きたいと思う曲に出会うきっかけは、偶然のことがほとんど。
(参考にならなくてすみませぬ)

たまに、曲名がわからなくて後から調べたり
良いなぁと思っていたけど曲名がずっとわからなくて、
だいぶ後になって曲名がわかった!ということもあります。

自分が弾いているイメージをする

弾いてみたい!と思ったからには、
この曲の疾走感が最高だなぁ…!!とか
谷底のような深い闇感を表現してみたいなぁとか
キラキラしていて綺麗だなぁとか
しんみりしていて癒されるとか
良いと思ったポイントがあるはず。

自分が弾くならこう弾きたいなとか
このピアニストさんみたいに弾いてみたいなぁとか
まずは、楽譜や難易度など、テクニカルな面は全く置いておいて
自分がかっこよく弾きこなしているところをイメージしましょう(^O^)
完成後の妄想ですね。

このイメージを持っておくと、
辛く地味な暗譜を乗り越えるモチベーションにもなりますし
メロディーや表現の完成系を記憶しておくほど、次の②の段階を早くクリアできるようになりますよ。

2. 耳で憶えるために
楽譜を叩きこむ

その次に、譜読みしながら弾いてみて
とにかく楽譜を頭に叩き込みます。
(バシバシ叩くんじゃないよ)

頭で楽譜を見て暗記する、というよりは
楽譜と照らし合わせながら、何度も何度も弾いているうちに
正解の音を耳で憶えるという感じ。

最初は「この音で本当に合ってるのかな…?」って不安になりながら弾いていたのが
(特にショパンの上級曲やラヴェルなんかは、不協和音が多くて不安になりますよねっ)
何度も繰り返し片手ずつ譜読みしながらしていると
「あ、今間違えた」って、わかるようになってくるじゃないですか。

その、間違えたか正解かが耳でわかるようになってくる
毎回楽譜を目で追う必要がなくなるので、上達が早くなってきます!

楽譜を見なくて良くなると
上達が早くなる

耳で憶える派のわたしは、楽譜を読むのが苦手で、
楽譜と鍵盤を交互に追うことができないので、この段階が一番ヤマ。

譜めくりも毎回面倒ですし
楽譜が見たいページで開ききってくれなかったり
横着して片手でめくろうとして、鍵盤の上にガシャーン!となったりねw

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逆に、ここを超えて「脱楽譜」できたら進みが早くなるので、
なるべく早く脱楽譜できるように、この段階は特に辛抱して頑張りましょう。

言い換えると、ここで間違って覚えると
(もう楽譜を見なくなるので)そのまま譜読みミスに気付かず完成させてしまい
後から癖を直すのが大変なのですけれどね/(^o^)\

3. 指が勝手に動くまでとにかく弾く

楽譜がなんとなく頭に入ってきたら
あとは、とにかく弾きまくって
それ通りに弾けるように手に覚えこませます!

この時の注意点は色々あると思いますが
速く弾けるようになるのを焦らないことかな。

わたしもよくあるのですが、
完成を焦って速く弾くと、細かい部分が潰れちゃったり
変な癖がついて、横着して弾くようになってしまいがち。
一度変な癖がつくと、それを直す方が大変だったりします。

いずれ弾けるようになったら、
いやでも速く弾きすぎたりするから大丈夫(^O^)
と、気長に構えましょう~。

ゆっくりでも表現は忠実に

ちなみに、この「憶える」段階で
強弱表現や跳ねる・伸ばすなどのアーティキュレーションも
できるだけ一緒につけておくとよいです。

なぜなら、最後に表現だけを整えようとしても
指の動きや耳で憶えた音楽がもう、それで憶えてしまっているので
違和感を感じてしまって矯正しにくかったり
表現を変えようとすると、タッチごと変えなきゃいけなくて
かえって大変だったりするからです。

料理で言うと、下味やアク抜きなどをしっかり整えておき
スパイスや味付けは調整程度、という感じかもしれませんね。

「あのフレーズ」を奏でる感動を味わおう

あとは、よちよち歩きでしか弾けない段階だったとしても
ピアニストさんの真似をする感覚で抑揚をつけて弾いてみると
ゆっくりだとしても曲らしさが出て
「おおっ!あのフレーズだ…!」と感動してモチベーションになります(^O^)

こちら↑はを練習しはじめて3日目。
ゆっくりだし間違えていますが、曲の闇深さは守っているので
なんとなくですが雰囲気はありますよね。
(途中無駄に早くなっていますが)

→完成した曲はこちらからどうぞ

倍速再生で完成イメージを先取り

邪道ですが、ゆっっくりしか弾けないけど表現に忠実に弾いてみて
その演奏を倍速再生してみるのも、ちょっと自信が持てますよw

【速く弾けない】曲が完成していないとき、手っ取り早くモチベーションを上げる秘訣。

まとめると、この段階はゆっくりしか弾けないのは当たり前なので
ていねいに、忠実に。

スローモーション再生しているイメージで
ちょっとずつ、ちょっとずつ、指に記憶させていきましょう◎

4. 少しずつテンポを上げていこう

指の感覚をつかめてきたな、と感じたら
少しずつテンポを上げていきましょう!

最初はメトロノームの一番遅い目盛り(♩40)からでOK。
それでもついていくのがキツい場合はもっと細かくしてしまってもOKです。

ゆっくりの方が弾きにくい

「こんなに遅いの、弾けるわ!(怒)」というくらい大げさな遅さから
音を外さないかどうか、変な癖がついていないか、確認しながら弾いてみきましょう。

走るよりゆっくり歩くほうがグラつきやすいように、
意外と、ゆっくりの方がバランス取りにくくて弾きにくかったりもしますから。

仕上げ段階で正確さを整える

先に抑揚をつけたのも、このためで
メトロノームに合わせる段階では、速さについていくことや正確なリズムを合わせることに必死で
ここでいきなり抑揚を1から加えるのは難しいですが
先に抑揚が備わっていると、抑揚込みの演奏でメトロノーム調整ができます。
(なんか言葉にするの難しい)

ですので、わたしの場合は
抑揚ありきの→正確さ、という順番で整えています(^^)/

※教え方や習得方法はそれぞれあると思います

インテンポぴったりまでできなくてもOK

ただ、曲にもよりますが
あまり機械的な正確さを揃えすぎるのも曲の味が失われてしまう場合もあるので
指示されているテンポの9割または-10くらいまでできれば十分です◎

そこまでできれば、大体メトロノームなしだとインテンポで弾けるはずですし
本番は特に、緊張して速くなりやすいですからね。

番外編:曲が完成するまで
「答え合わせ」はしない

ちなみにこれは、わたしのちょっとしたこだわりですが
インテンポで曲らしくなり、自分なりの表現をつけて弾けるようになるまでは
他のピアニストさんの曲を聴いて「答え合わせ」しないようにしています。

練習し始める①の段階でイメージを沸かせてからは
一旦、他の人の表現や「正解」を置いておいて
自分の練習や表現に集中するということですね。

これは、幼少期から先生がしてくださった方法でして
曲を1曲通して弾けるようになった仕上げの段階で
「同じ曲を弾いているピアニストさんと、ともかちゃんの演奏との違いを聴いてみようか(^^)」
と言って聴かせてくださっていたのですよ。

自主的に弾いている今も、それを続けています。

完コピでなく自分流の演奏表現を育むため

その理由はおそらくですが、
プロのピアニストさんの弾き方を真似しようという意図ではなく、
それぞれの表現のよさがあり、その違いを比べてお互いの良さを楽しもう、
ということだったのではないかなと思っています。

もしこれが、完成前の②とか③の段階で先に聴いてしまったとすると
そのピアニストさんの弾き方を完コピするような演奏になってしまったと思うのですよ。
(あ、でも不協和音がすごい曲は確認のために聴いたりもします)

ルール通りに弾くコンクール演奏ならそれでも良いかもしれませんが
自分なりの表現を育むことがピアノの醍醐味でもありますからね。
そのために、聴かない期間を設けてくださったのかな、と解釈して
「答え合わせ」は、自分の持ち味を客観的に認識しつつ、行き過ぎたところは軌道修正する、という感じで活用しています。
(とはいえ、自分でCDを買って聴くこともできたのに怠っただけかもしれませんがw)

まとめ:
とにかくたくさん弾いて曲に慣れよう!

以上、カワグチ流の
クラシック曲マスターの流れをご紹介しました!

3年以上クラシック弾きとしてブログを書いていますが、
ちゃんとご紹介したのは初めてだったような気がしますっ。

ポピュラー耳コピのコツが「とにかく聴きまくる」だとすると、
クラシック上達のコツは「とにかく弾きまくる」でしょうか(^^)/

以上はわたしのやり方ですが
参考になる部分がありましたら、部分的にでもぜひ取り入れてみてくださいね!

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