ブランクを経て復帰したピアノ弾きが
固定観念を破りながらやりたいことと向き合う過程を共有します

10.9インチ「iPad Air」は電子楽譜として使えるか。【結論】やや小さいけど楽譜が超軽くなりました

こんにちは。
ピアノ演奏家のカワグチです!

タブレットは買わない派で
いまいちその存在意義がわからなかったのですが
先日、友人とデモ機を触ってすっかりハマってしまい
iPadを買ってしまいました…!!!

朝日に反射してしまっていますが、グリーンを買いました◎
ほんの薄い緑でさわやか。

何ができるか把握しきれていないので
iPadを使ってiPadのお勉強中ですっ。

タブレットは楽譜代わりになるのか

ところで、演奏家や音楽家の方には
タブレットを楽譜として使っている方がいますよね。

楽譜までいかなくても、コードや歌詞を映したり。

あれ、いいなぁと思いながらも
実際どうなんだろう?本当に使いやすいのかな?と疑問だったのと
なんだかんだ紙の質感が好きだったので、あんまり電子楽譜に惹かれませんでした。
(本も電子書籍より紙派)

が、今回、せっかくタブレットを買ったので
タブレットは紙の楽譜の代わりになるのか、

デジタル楽譜として本当に使いやすいのか
この機会に試しながら考えてみましたっ!

今回買ったのはiPad Air

わたしが今回買ったのは
10.9インチのiPad Air(第4世代)です!
→公式サイトはこちら

今回は楽譜にするのが主な目的というよりは、
他の用途やお値段などもろもろ検討した結果、iPad Airにしたので
「iPadは楽譜になるか」、というより
「iPad Air」は電子楽譜として使えるか、という記事といったほうが正しいかもしれないですね。

楽譜にするなら
12.9インチiPad Proがベスト

結論から言うと、楽譜として使うのが最優先であれば
大きなサイズのiPad Pro一択と思います!

2022 Apple 12.9インチiPad Pro (Wi-Fi, 128GB) – シルバー (第6世代)

理由は後述しますが

12.9インチのiPad ProがA4に近いくらいの画面サイズなので
(大きさ的に)紙の楽譜と変わらない可読性が保たれるには
12.9インチくらいは欲しいかな、となるわけです。

詳しいサイズ感の比較も記事の中でご紹介しますね。

※ちなみに本文中の電子楽譜は
パブリックドメインのPDF形式のものを使用しています

タブレットを楽譜にするメリットとデメリット

わたしが思う
タブレットを楽譜にできたらいいな、というメリットは

  • 紙の本より荷物が軽くなる
  • 譜めくりがラク

一方で、ちょっと心配なデメリットは

  • 重たいんじゃないか
  • 見やすさ的に紙の大きさは必要なんじゃないか
  • 見慣れないんじゃないか

ということかな。

以上のメリットと心配なデメリットを
実際に使ってみて検証してみました~。

※以下、本文中の「iPad」は
今回わたしが買った「iPadAir 第4世代」を想定して書いています

iPad Airの画面サイズ

iPad Airの(本体サイズではなく)画面サイズは10.9インチ、
長さでいうと、横15.7㎝×縦22.8㎝くらいあります。
(自分で測った長さなので多少の誤差はあると思います)

→iPad Airの詳しい仕様はこちら(Appleさんの公式サイト)

一般的な用紙サイズと比較した大きさ感

ほとんどの楽譜の大きさであるA4は、
21cm×29.7㎝。

A4の楽譜と重ねてみると、だいぶ小さいですね。
言い換えると、A4が入るカバンにはiPadも余裕で入ります。

重さ的にも薄い本1冊入れている感覚。

12.9インチiPad ProがA4に近い

ちなみに12.9インチのiPad ProとA4を比較すると

  • A4: 21㎝ × 29.7㎝
  • iPad Pro: 約21.5㎝ × 28センチ。

※ベゼルを含めた本体サイズなので
画面サイズは、もう1cmくらい小さいと思います

→公式サイトのiPad Proのサイズはこちら

ページの上下って、タイトルとかページ番号とかがあるので
上下は多少はみ出ても譜読みに問題ないことを考えると
ほぼA4に近いくらいの大きさと言ってよいのではないのかなと。

iPad proを楽譜にされている方は他にもいらっしゃると思いますので
持ってない人がiPad proについて語るのはこのへんにしておいて
iPad Airの話に戻りますね。

iPad AirはB5サイズに近い

B5ノートとiPad Airを重ねてみました。

ちょっと頭が短いですが、ほぼ重なりますね!

一般的なノートサイズであるB5のノートは
18.2×25.7㎝。

10.9インチ iPad Airの画面サイズは
約横15.7㎝×縦22.8㎝。

B5より一回りくらい小さいくらいですね。
B5以下A5以上くらいのサイズ感と言うのがちょうどいいでしょうか。
(縦横比は少し違うので、上下がちょっと短くなります)

iPadAirの重さ

続いて、持ち運びに重要な
iPadの重さを楽譜と比べてみましょう。

iPad Airは約460gです。

と、数字で書いてもよくわからないので
リアル紙楽譜の重さも測って比べてみました。

  • iPad Air: 約460g
  • ショパン エチュード集: 約610g
  • ショパン ノクターン集: 約370g
  • ベートーベン ソナタ集: 約275g

でした。
(めんどくさいので何の版かは省略)
エチュードの楽譜って600gもあるんですね。そりゃ重たいわ。

楽譜1冊と同じくらいの重さ

要するに薄い楽譜以上、厚い楽譜以下
楽譜を複数冊持ち歩くのであれば、
iPadひとつ持って行くほうが軽いしかさばらないですね。

楽譜って、つい余分に持ち歩きたくなるじゃないですか。
「あの曲ももしかしたら弾きたくなるかも」
「暗譜したけど、音や強弱記号を確認したくなった時のために」
「余裕あったらこの曲も練習したい」みたいな。
それで無駄にカバンが激重になるという。わたしだけかしら。

意外と難しいA4楽譜サイズ。お気に入りピアノ用バッグをご紹介します!

整理整頓が苦手なわたしは
このピアノ用バッグ↑に落ち着きました

そんな、ついつい欲張ってしまいがちな方や
一度に何曲も練習されることが多い方にもおすすめです◎

iPad Airを練習に使ってみた感想

ちょうどスタジオ練習の予定があったので
iPadを持って行ってみましたっ!

実際に使ってみて感じたことと
先入観との違いもかなりあったので、書いてみますね。

軽いし薄くてコンパクト

電子機器なのでそれなりに重たいことは覚悟していたのですが
(ノートパソコンも、薄いとはいえけっこう重たいですしね)
思ったよりも重量感を感じなかったです。

楽譜1冊と同じくらいの大きさ・重さなので
全然、カバンに電子機器が入っている重量感はありませんでした。
さすが「Air」という名前なだけありますね。

厚みも1センチもありませんので(iPad Airは6.1mm)
もちろん譜面台にも余裕で置けます。

※ちなみにわたしはカバーはつけていませんが
一緒に発売されているのMagic Keyboardをつけると
合計で1キロ超になり、けっこう重たいと思います。

譜めくりがラク
譜面台に置いても安定する

タブレットに楽譜を写すと、譜めくりがとてもラクでした!!

紙の楽譜だと、
めくって→固定する、という2つの動作がいるけど、
電子楽譜だと片手でスワイプするだけで動いてくれます。

紙の楽譜で一番の欠点といえば
譜めくりや、ページを開いたまま固定させにくいことじゃないでしょうか。

見たいページを開いてもすぐ閉じてきてしまったり
横着して片手で譜めくりしようとして楽譜を倒したり
逆に薄い楽譜だと、しなって落ちてきたり…

わたしは普段、↓のページオープナーを使っているのですが

ナカノ ページオープナー PGH-47/BL ブラック

譜めくりする際にはいちいち挿し直さなきゃいけないし
楽譜に跡がついてしまったりするので
便利なんですが、なんかこう、
あんまりスマートじゃないなぁと思っていたんですよねぇ。

忘れ物防止や、出し入れする手間削減のためにも、
物理的荷物は減らせるものなら減らしたい。

ちょいスクロールで
ページがまたがる部分も表示できる

しかも、完全にページ送りしないで
半分だけとか、部分的にページ送りすることもできます。

前のページの終わり部分から弾きたいとか、
ページのつなぎ目両方見たいんだよなぁという時なんか、とても便利です!!

たまに勢い余ってスクロールしすぎますが
スクロール量を調整できるのも使い勝手がよいです。

書き込める

それから、Apple Pencilがあると
紙を汚さずに書き込みができます。

↑こういう「うわぁ…。ええと、ド、ラ、ファ…レ」と
線の数を数えるのが大変な超低音や超高音とか、
「さっきダブルシャープついてたから、これは…」という臨時記号とか
しばらく考えてしまう音に書きこんだりしちゃいます。

(iPadに最初から入っている、純正の編集機能で十分だと思います)

もちろん、消すこともできます。
色も選べるので、ペンを持参しなくても良いのも地味にうれしいです。

Apple Pencil(第2世代)

汚れない

書き込んでも、譜めくりしても
汚れないしシワや跡がつかないのも電子楽譜ならではです。
もちろん退色や劣化もしませんしね。

お恥ずかしいですが、わたしは手汗がひどくて
楽譜がすぐシワシワになったり、汗ジミで汚れたりしてしまうんですよ。
それでなくとも、カバンに入れて持ち歩くとどうしても
角が折れたりボロボロになってきたりしますよねぇ。

使う分には支障ないし、使い込んだ感が感じられるとはいえ
人前で楽譜を出すのがけっこう恥ずかしいので
汚れを気にせずガシガシ使えるのは良いかもです。

明るい

電子端末なので、それ自体が明るくて
室内や手元が暗い環境であっても楽譜が暗くて見にくいということはなさそうです。

薄暗かったり、強い照明の陰になってしまうような
ステージ演奏にも向いているかもしれませんね。

iPadを電子楽譜として使ううえで
気になったデメリット

本来電子楽譜として使うためのもの、というわけではないでしょうから
紙の楽譜などと比べて気になった点もいくつかありました。

可読性はあるが
小さい音符が見にくい

やっぱりiPad Airのサイズ感だと
小さいなという感じはあります。

余白をギリギリまで拡大して、同じ楽譜と並べてみましたが(版は違いますが)
比べてみるとちょっと小さいというか窮屈感はありますよね。

あ、これ左が6段で右が4段じゃん。
あんまり比較にならないや。すみません。。

ちょうど悪く(?)その日に練習した楽譜が
紙の楽譜でも読むのが大変であろう、小さい音符がいっぱい並んでいる楽譜でして
さすがにちょっとしんどかったです^^;

このあたりのサイズ感、使い勝手はもう少し使ってみないと正直何とも言えないですが
楽譜として読めなくはない大きさではあると思います。

時間が経つと画面が消灯する

何分か操作していないと自動で画面が暗くなってロックがかかるので
ずっと同じページを表示させていると、画面が途中で消えないように
たまに画面を触ってアクティブにしなきゃいけなかったりします。

設定で消灯時間を変えることはできるでしょうが
全体の設定を消灯しないように変えると、それはそれで電池食うしねぇ。

ちょっとずつスクロールしたりしていますが
楽譜見てる時だけ消灯しないようにするとかできないのかしら。

最近は嬉しいことに
コンセント使えるスタジオさんが増えたので
長時間練習にはとても助かります。

エレコム USB コンセント 充電器 合計32W ( USB PD対応 ) Type-Cケーブル 1.5m 一体型 ブラック MPA-ACCP19BK

ちなみにiPad Airは「TypeC」適合ですよ。

目が疲れるので眼精疲労・肩こりに注意

iPad楽譜を使って数時間かけて新しい曲を譜読みしていると、
気が付いたらかなり目が疲れました。

明るさや大きさを調節できるとはいえ、
紙の楽譜と比べると、目への負担はどうしても大きくなるため
頭痛や肩こり、眼精疲労持ちの方には(自分もなのですが)
長時間の使用はちょっときついかもしれません。

ポイント練習には横使いもあり

ちなみに、ここまで縦置きする前提で書きましたが
譜面を大きくしてみたい場合はで使うのもありです。

横にすると、表示領域は2~3段くらいだけになりますが
その分、横幅がA4のリアル楽譜の大きさと同じくらいになります!

iPad横置きとA4楽譜の比較

紙の楽譜と並べると、ほぼ同じサイズですよね。

2~3小節だけ集中練習したい時や
ちょっとずつ暗譜したい時なんか便利です。

使い勝手を検証してみた結論

使ってみた感想をまとめると、

  • 小さいけど軽い
  • 譜めくりがラク、中途半端スクロールができる
  • 紙の楽譜でありがちな不安定さが全くない
  • 書き込める
  • 折れ曲がったり汚れない
  • 明るい
    ほっとくと画面が消えてしまう
  • ペンやページオープナーなど持ち歩く物を減らせる

実際に使ってみて総合すると、
良いことの方が多かったように思います!

先入観との違い

当初思っていたイメージとの違いは

  • 紙の本より荷物が軽くなる
    →楽譜を複数冊持ち歩くより軽いし場所も取らない
  • 譜めくりがラク
    →安定性があって譜めくりしやすい

デメリットと思っていた点は

  • 重たいんじゃないか
    →思ったよりも軽かった
  • 見やすさ的に紙の大きさは必要なんじゃないか
    →読めなくはないけど、やっぱりちょっと小さい感じはする

こんな感じで、実際使ってみると
先入観とは少し違う部分がありました。

iPadAirは電子楽譜として使えるか

少し画面サイズが小さいながら、iPad Airを使うメリットは
荷物が減ることが一番かな、と個人的には感じます!

  • 持ち歩く楽譜を軽くしたい
  • 出張や遠征などで複数冊の楽譜を持ち歩かなきゃいけない
  • 一度に色々な種類の楽譜が必要なピアノの先生
  • しっかり読むというより、確認用、とりあえず的に楽譜を持っておきたい

という方にはオススメです。

ただ、画面が小さいのと、長時間の使用は目が疲れるので
メイン楽譜としてじっくり読むには、紙のほうが適していると感じました。
また、もう少し大きなサイズ感をお求めであれば、iPad Proがおすすめです。

用途や場面に応じて
紙の楽譜と使い分けると上手な使い方かもですね!

まとめ:紙の楽譜の不便さを解消してくれる
タブレット電子楽譜

当初心配だった点よりも、むしろ
紙の楽譜を使う上で不便だった点が解消される
というメリットがあることに気が付きました。

寒さ対策で窓にいっぱい貼ってるのは気にしないでね

わざわざ楽譜を出し入れする手間なく
タブレット端末1台で完結できるのは、時短になりますし
もっと言うと、電子的に購入やダウンロードできれば
楽譜を買いに行く手間も省けます。

ピアニストであれば、限られた練習時間をいかに無駄なく有効に使うかって大事なことで
ほんの数分であっても時間の節約ができれば、浮いた時間で1フレーズ、1曲弾けますし
無駄な動作を極力減らして、少しでも練習に充てたいものですよね。

紙の楽譜と、それぞれ良さが違いますので
うまく使い分けられると良いなと思いつつ
まだ買ったばかりなので、有効活用できるように試行錯誤しながら使ってみます!

今回買ったiPadをご紹介

今回わたしが買ったのは
こちら↓のiPad Air第4世代と、第2世代Apple Pencilです。

2020 Apple iPad Air (10.9インチ, Wi-Fi, 256GB) – グリーン (第4世代)

※もう一代新しいモデルの「iPad Air 第5世代」はこちら↓
(ちなみにグリーンはなさそうです)

2022 Apple iPad Air (Wi-Fi, 64GB) – スペースグレイ (第5世代)

Apple Pencil(第2世代)

Apple Pencilは、iPadの側面に磁石でくっついて自動充電される優れもので
ペンの細さや感度も選べてすごく便利です…!!

追記:iPadを購入して1年
続編を書きました!

それからiPadを購入して1年が経ちましたので
1年間使用を続けてみて実際にどうだったか
続きの記事を書きました!

【楽譜・メトロノーム・撮影録音】音楽演奏に必要な機材をiPad一台で完結させる可能性。

iPad、使えば使うほど
可能性を秘めていると感じます…

「実際どうよ」と、もっと気になる方は
よかったらこちらも併せてご覧ください♪

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色々と検証して長くなってしまいましたが、
最後までお読みいただきありがとうございました!

けっこう頑張って書いたので
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