ブランクを経て復帰したピアノ弾きが
固定観念を破りながらやりたいことと向き合う過程を共有します

好きなことをもう一度。
クラシックピアノ復帰までのストーリー

ご覧いただきありがとうございます。
ピアノ愛好家のカワグチです!

このブログは、アマチュアのピアノ愛好家がクラシックピアノに復帰し
制約のある環境の中で工夫しながら満足のいく演奏を追求するブログです。

演奏も少しずつ公開しておりますので
どうか見守ってやっていただけますと嬉しいです。

自己紹介

3歳よりクラシックピアノを習い始め
15歳の時に遠方の高校に進学のためピアノをやめる。

子供の頃欠かさず弾いていたピアノをもう一度弾きたいと思い
29歳の時にクラシックピアノに復帰しました。

現在は東京で働きながら
週末ピアニストとして、ピアノを聴くのも弾くのも楽しんでいます。

※具体的な経歴は、プロフィールもどうぞ

ショパンが好きで、弾くのは9割がショパンさまの曲です!

サイトを作ったきっかけ

せっかく弾くのであれば、演奏会をただ待つばかりでなく
演奏を聴いていただける機会を主体的に作りたいと思い
演奏を共有できるよう、このサイトを作りました。

このページでは、14年のブランクを経て、ピアノに復帰したカワグチが
ネット上やストリートピアノ、スタジオなどで演奏を公開するという形で
ピアノ演奏活動をするに至った経緯をお話させていただきたいと思います(^^)

History

3歳からクラシックピアノを習い始め、
ありがたいことに、地元の小さな田舎では
「ピアノが弾ける子」として温かく認知してもらいながら育ちました。

はじめての発表会はブルグミュラーのアラベスク
演奏中に観客席をチラ見して爆笑されていた、肝の座った子だったようですw
(今はこんなにコミュ障なのに)

あんまり真面目に練習しなかった子供時代

今でこそ真面目に発信なんてやっていますが
ピアノの練習は、そんなに真面目にやってきませんでした。

とにかく、初見というか楽譜を読むのが嫌いで、聴音が好き。
弾きごたえのなさそうな曲(失礼)を練習課題でもらったときは
1週間まったく練習しないまま、次のレッスンで初見で弾いたりして(当然弾けない)
居残りになったこともあったり。

というかただの問題児ですねw
見捨てず根気強く指導してくださった恩師には本当に頭が上がりません。

★故郷のピアノの先生とのエピソード↓

演奏には本性と性格が出る。ピアノの先生は全てお見通しだった!

練習はサボっていたけど、
物心ついたころから毎日触っていたピアノは体の一部のようなものだったので
毎日自然と何かしらの曲を弾いていました。

ピアノが自己表現に欠かせない存在になっていった

中学生くらいになってくると、
コミュニケーションが苦手な自分にとって、言葉以上に自分を表現できる手段として
ピアノの楽しさを知ることができたし、音楽に救われてもきました。

♪≡ その頃弾いていた曲 ≡
(録音したのは最近ですが)

突然訪れたピアノとの別れ

このまま高校生になっても、順調に
レベルアップを続けていくものだと思っていました。

しかし。
(今はそうじゃないからこそ言えるのですが)
実は当時は学業の成績が良かったので
地元の田舎ではなく、遠方の地方都市に学区外受験をしてみようかと
ある日突然、トントン拍子で話が進み始めたのです。

ピアノを仕事にはできないと思っていた

わたしは田舎から出たかったのと
両親も学校の先生もピアノの先生も、
「ピアノで食べていくのは難しいから、
勉強して手に職を付けたほうが良いよ」
と、
突然の思い付きだったにもかかわらず、満場一致。

当時中学生のわたしでも、音楽で稼ぐのは難しいことは理解していたので
あまり深く考えず、幼いころから慣れ親しんだピアノの道に
15歳であっさりとピリオドを打ったのです。

ピアノがない生活が想像できなかった

そんなに簡単にピアノをやめてしまったのは
今まで、ピアノが当たり前にあり、毎日当たり前に弾ける環境だったからこそ
「ピアノが弾けない環境」は想像ができなかったんですね。

学区外に行くとピアノを辞めなければいけなくなる、ということはあまり頭になく
その街で別の先生を見つけて習えばいいや、くらいにしか思っていませんでした。
(今思うと、3歳の頃から親のように面倒を見続けてくれて
自分より自分のことをよくわかってくれている恩師に失礼極まりないですよね)

そして本当に学区外の高校に合格して、
実家から150キロ離れた地方都市に単身、進学することになったのです。

ようやく実感がわいたのはレッスン最終日。
先生は笑顔で穏やかに送り出して下さり、
帰路を歩きながら、自分がこの街にいた足跡がどんどん消えていくような
そんな寂しさというか虚しさを感じ切なくなったのでした。

失って気付いた、ピアノの存在の大きさと挫折

土地勘のない新天地で、
誰一人知っている人のいない高校生活は想像以上につらくて大変で
慣れない家事と、進学校の勉強についてくのに必死で、心も体もボロボロに。

あっという間に体を壊し、馴染みのない地で心のよりどころもない。
そこで、今まで当たり前にあったピアノ存在の大きさや
ピアノを弾くことが自分自身の心の支えになっていたことを実感しました。

電子ピアノは代わりにならなかった

電子ピアノも置いていたのですが、弾き心地が全然違い
近隣から振動音で苦情もきて、すぐに弾くのをやめてしまい
まともに練習もしないから、人前で弾けるような曲もなくなる。

さらに、進学校にはピアノが弾ける優等生は当たり前のようにいて
別に、わたしが弾く必要なんてない。

そんな挫折感から、ピアノを弾くこと自体をやめてしまい
ピアノを弾くことも、「ピアノを弾ける自分」も、封印してしまったのです。

弾きたい気持ちと、弾けない挫折感

中途半端な曲しか弾けないくらいなら、ピアノ弾きを名乗りたくない。
過去の自分に失礼な気がしたのかもしれませんね。

その反面、コンサートホールの借り方を調べてみたりと
「いつかまた演奏をしたい」という思いを密かにずっと抱いていました。

孤独にならないことが最優先だった

ピアノを弾ける拠点をうまく探すことができず
情報の探し方の下手さと、行動力のなさに悩みながらも

それよりも、知らない土地で一人ぼっちになってしまった経験があまりに辛く
自分のやりたいことは差し置いて友達を作ることに必死で
いつしか、ピアノのことは「考えてもどうしようもない」と
考えないようになってしまいました。

結果、かけがえのない友達には恵まれたので
それはそれでよかったと思ってはいますが
見栄のために大切なものを捨ててきてしまったことを、何度も何度も後悔したのでした。

ジャズをやってみたけれど
やっぱりクラシックだった

無事に大学を卒業して医療従事者として働き始め、
時間と自我を持て余してようやくピアノ教室を探してみることに。

クラシックよりも練習がいらなそうという、いい加減な理由で
ジャズを習うことにしました。
(J-popのジャズアレンジなどを弾いて、楽しかったものの
クラシックとは全然違ってあまりうまく弾けませんでした…!)

クラシックの可能性を見出してくれた先生

そんな中、「ともちゃんなら弾けると思って」と
先生がドビュッシーのアラベスクを練習曲として下さったのをきっかけに
やっぱりクラシックいいなぁ、いつかまたちゃんとやりたいなと思い出すようになったのです。

クラシックをちゃんとやるには
制約がありすぎる

ただやはり、クラシックをやるのであれば毎日しっかり練習したいし、
中途半端にやっている気分だけにはなりたくなかったので
復帰に躊躇していました。

ピアノをしっかりやるには、ピアノがない。
ピアノを置く場所がない。
防音室を作るお金がない。
ピアノを披露する機会がない。
大曲を暗譜する時間がない…

どうやったらピアノの練習環境を作れるか、
聴いてもらえる場所を作れるか、頭の中で葛藤するも
今の環境の中では無理なことだらけで、答えが出ずにいました。

ピアノとのつながりを少しずつ取り戻す

その頃、安定した医療の仕事を一生続ける生き方に疑問を持ち始め
脱サラして自分らしく生きることを考え始めていました。

満場一致で勧められ、勉強のためにすべてを捨ててきた私には
勉強して良い仕事に就くことしかないと思ってここまで来たけれど、
手に職をつけて、安定のレールを辿ってきたものの
当時の生活がどうも、幸せだと思えなかったのです。

ちょうどその頃、ピアノを習っていることを伝えていた仲の良い友人が結婚することになり
結婚式でピアノを弾かせていただけることに。

不思議なことに、本当にやりたいことをやりだした時って
こういう偶然に救われることが多いなって思います。

復帰のきっかけは1本のDVD

クラシックを本格的にやる!と決めたのは、29歳の時。

偶然友人と観た「四月は君の嘘」というDVDでした。
(自分でDVDを借りて観ることはあまりないので、ほんとに偶然でした)

子供の頃のトラウマから、ピアノを弾かなくなった主人公が
再びステージに復帰する話(だったはず)に
ピアノを弾かなくなった自分と重ね合わせてボロボロ号泣。

「自分も人生でもう一度、ステージに立ちたい!!」
と、強く思い
3か月後に迫るショパンコンクールinAsiaに申し込んだのでした。

動き出すと不思議な奇跡に恵まれた

申し込んだものの、コンクールまで3ヶ月しかない。

そこからは、メトロノーム練習など
子供の頃ですらまともにしていなかった練習を、基礎から愚直にやってみることに。

当時、医療の仕事はやめてアルバイト生活をしていたので
限られた貯金を切り崩してスタジオ通いを続けていました。

「一生のうちにもう一度だけでも
ステージでピアノを弾きたくて

コンクールに出てみることにしました!」

自分でも浮足立った甘いことを言っているなと思い、気恥ずかしかったですが
そう言うと、応援してくださる方に次々と出会う事ができて
音楽関係のお仕事をしている方からピアノの練習室を紹介していただけたり、
14年ぶりに故郷でお世話になった恩師の先生にレッスンをしていただいたりと
無謀な挑戦に偶然にも力を貸してくださる方が現れ、
無事にコンクールに出場することができたのです。

念願の14年ぶりのステージ

「子供の頃ピアノをやっていた」なんて人は全然珍しくないし、
こんな、クラシックから14年も遠ざかっていた女子が思い付きでいきなり出場して、
白い目で見られるかもしれない。
曲への理解も大してないくせに、今流行りのインスタ映えとか意識してんじゃないのとか、
馬鹿にされるんじゃないか。

人前に出るのが好きで、ステージであがらない(むしろテンション上がるw)はずの自分ですが
14年ぶりのステージは怖くて仕方ありませんでした。

だけど、会場には私と同じように、働きながらピアノを楽しんでいらっしゃる方がいたり
「ピアノが好き」という純粋な共通点のある、温かくてひたむきな方ばかりで
ただその舞台に立てることを許されたことが嬉しかった。

ステージ上でまともに弾けただけでも、わたしにとっては一生分の奇跡のような出来事で満足でしたが
なんと、入賞し全国大会に参加できることに。

きれいごとのようだけど、
自分が好きだから弾いているだけなのに、それを聴いてくださる方がいて、
いつの間にか協力して下さる方ができて、
評価までしていただけたことが、すごく嬉しいしありがたいし幸せだなって。

環境の制約もあれど、行動と工夫次第でなんとかできる、
自宅にピアノを置いていなくてもピアノと関われるんだ、ということを
結果が証明してくれました。

動けばよかったのに、
動かないで時間を無駄にしていた

ピアノがないから、と言い訳して14年。
「もう一度ピアノをステージで弾きたい」と、行動に出てから3ヶ月。

コンクールはあっという間に終わってしまいましたが
コンクールを通して、ずっと名乗れず封印していたピアノ弾きとしての自信を取り戻し
チャンスは自分の行動次第で取りに行けるものだということと、
今まで14年もの間、悩むばかりで行動できなかった自分を悔いたのでした。

ピアノがなくなってしまった!

さぁ、ピアノに復帰したし、これからどうしよう!というコンクール直後。

実家の引っ越しに伴い、
実家にあったピアノが売られてなくなってしまいました(T_T)

子供の頃から体の一部のように毎日弾いていて
成長を見守ってくれていた思い出のピアノ。

そして、表現力をつけることができたのも
グランドピアノという恵まれた環境で練習できたことがかなり大きいはず。

どうにか維持できないかと
ピアノを置ける物件や、なんならわたしが実家を買い取ろうかとか、
いっそピアノスタジオ作っちゃおうかと聞いて回ってはみたものの
結局、ワンルームマンション暮らしの自分にはどうにもできず…

長年飼っていたペットが死んでしまったかのように絶望して
2週間くらい立ち直れなかったし、今でも思い出しては涙が出るし
どうにもできなかった無力さに悔しくなります。

ということで、「家にピアノがない人の練習環境」についても
色々と模索して記事にしています。

家にピアノがなくてもピアニストになれるか。~ピアノを持たない、週末練習のみの演奏家の挑戦~

その後と現在

コンクールが終わってからというもの
愛用していたピアノもなくなってしまい、
目的を失って燃え尽きてしまっていたのですが

今は復帰の過程で知り合った方とのつながりで時々演奏会に出場させていただいたり、
まだまだ弾きたい曲もたくさんあるし、またコンクールにも挑戦してみたいなと思っています。

→活動報告と遠征記録

自由にさせてもらっていた子供のころとは違って環境には制約がありますが、
どうにかピアノと触れ合う機会を作れないか、
好きなピアノを通して、自分が楽しむだけでなく
関わってくれた方と思い出を作ったり、喜んでいただける方法はないか。
と、各地のスタジオを巡りながらあれこれ試行錯誤しています。

せっかく好きなピアノを弾くのであれば
聴いて楽しんでくれたり、喜んでくれる人がいたら嬉しいですしね。

よりよい演奏環境を求めて(という大義名分でw)
全国各地のスタジオさんのピアノを楽しませていただいています♪
→スタジオレビュー
→遠征記
→ストリートピアノ

近況はブログ記事でまた更新させていただきますので
ご覧いただけたらうれしいです(^^)/

→最新記事一覧

どうでもいいプロフィール

  • 好きな食べ物はカレーとアジアン料理。
    インドカレーとかスープカレーとか、ガチめなスパイスカレーが好き。
    お任せでカワグチと食事に行くと大体スープカレーになります
  • 見た目はパリピ、中身は引きこもり
    (無理に明るく愛想よくするのやめました)
  • ピアノ椅子の高さは上から二段目
  • アニマル柄が大好き
  • すぐ乗り物酔いする
  • 苦手なものは虫と雷と集団行動
  • 嬰ハ短調が好き
    幻想即興曲月光ノクターン遺作など、素敵な曲が多いですよね!)

→詳しい経歴・プロフィール
→最新ブログ記事はこちら
→演奏音源一覧はこちら

もっと知りたい方は
こちらもどうぞ

わたしは口下手コミュ障ですが、文章を書くのは好きなので
独自の音楽観や、ピアノ復帰を通して好きなことに向き合う過程を
文章に書き残しています。

→カワグチの熱血音楽観
→音楽活動で出会った人たちとのドラマ

ピアノと併せて、「読むドラマ」として
楽しんでいただけたらうれしいです。

大体この記事の内容と同じですが、動画バージョンも作ってみました。
あまり話すのはうまくないですが、文字より音声派の方がいらっしゃったらどうぞ。

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プロフィール最終更新日
2023年6月2日

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