こんにちは、カワグチです!
電車の急発進で転んで隣の方にぶつかってしまったのですが、
周りの人たちが怒るどころか「大丈夫ですか?!」って声をかけてくれまして。
申し訳なさを通り越して、
知らない人にこんなに親切に声をかけてくれる優しさが身に沁みて感激しておりました(。・O・。)
大人のピアノで一番のハードルは
練習環境が確保できないこと
クラシックをまたちゃんと弾きたいけど、練習できる場所がない。
ちょっと弾いたくらいでは、すぐ忘れてしまうし
暗譜で弾けるようになるまでもとても時間がかかります。
さらに、曲を覚えたとしても、同じ場所で間違えないようになったり
弾きにくい部分を引っかからないように弾けるようになるまでって
けっこうしつこい練習が必要です。
クラシック曲習得には時間がかかる
わたしもピアノが弾きたいと思いつつ、
「そんなに継続して練習時間確保できないし…」と
クラシック復帰にためらっていた時期が何年もありました。
ちなみに、「ジャズならアドリブで弾けるから
そんなに練習いらないんじゃないか!」と思って、
途中、ジャズを習ったこともありましたが
あまり練習しなくてもアドリブで弾ける、みたいなことはありませんでした。
(まして、ジャズ理論も奏法の引き出しもないのにね)
全国のジャズ奏者のみなさまにおかれましては
舐めた考えを持ってしまい誠に申し訳ございませんでしたm(_ _)m

また、現役で普段ピアノを毎日弾いている方でも、
旅行やテスト期間などで、何日か空いて弾くと
感覚鈍ったなとか、変な感じするとか感じることってありますよね。
では、クラシック曲の維持のためには、
具体的には、最低限どのくらい練習ペースが必要でしょう。
一緒に考えてみましょうか。
理想は毎日
というと、「やっぱり毎日弾くに越したことない」という意見が真っ先に出てくると思いますので
まずは、毎日弾けるに越したことはない、ということは大前提として前置きしておきます。
いやほんと、これは綺麗事の受け売りではなく
わたし自身も切実に実感していましてね…
なるべく早くに復習した方が忘れにくい
「エビングハウスの忘却曲線」というのを聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
記憶してから1日経つと、7割は忘れてしまっているという法則理論でして
(記憶の維持率は、内容の複雑さや量にもよると思いますが)

忘れていく途中で思い出す(=復習や反復練習)と、
忘却のフローが振り出しに戻って、忘れる度合いがなだらかになって忘れにくくなる、という理論です。
→ エビングハウスの忘却曲線:Wikipedia
つまり、学習記憶は放っておくとすぐ消えてなくなっちゃうから、
忘れる前に繰り返し思い出し直して、記憶に癖付けしようね!という教訓です。
復習するなら、できるだけ記憶を多く保てている
早いうちがいいに越したことはない、ということですね。
ライバルが毎日弾いているなら
どんどん差が開き置いて行かれてしまう
また、真面目に回答すると、
他の演奏者さんやライバルたちが毎日練習している以上、
毎日練習できている人と、そうでない人とでは、差が開く一方なのはいうまでもありません。
わたしも環境に言い訳しないよう日々頑張ってはいるものの、
自宅にグランドピアノがあるとか、実家暮らしのピアニストさんには
才能とか技術力を差し置いても、そもそもの環境面でどうやったって敵わないので、そこは諦めています。
毎日弾けなくたって
ピアノを弾いていい
でも。とはいえ!!
そんなことばかり言っていたら、
毎日練習できない(練習する環境がない)人は、ピアノを弾いちゃダメなのか、
(自分自身だけが楽しむため以外に)ピアノを弾く意味は全くないのか、となってしまいますよね。
それはさすがに寂しすぎるじゃありませんか。
誰もがオリンピック目指してスポーツをやっているわけじゃないのと同じで
毎日弾けない人だって、ピアノを弾いていいし、
そこには多様なグラデーションがあっていい。
というか、そもそも毎日当たり前に弾ける環境にある方は
この記事を見ていないのではないでしょうか。
ということを前置きした上で、
音楽として維持するためには、最低限どのくらいあればなんとかなるか?というのを
例を挙げながら考えてみたいと思います。
2日に1回:◎
練習が1日空く、くらいであれば
まだまだ許容だと思います。
土台がしっかりできている曲であれば、
1日抜けたくらいでは、そこまですぐに忘れることはないですし
勘が鈍っていたとしても、何回か弾けば元の感覚をすぐに思い出せる範囲。
持ち曲の数にもよりますが、
1〜2曲くらいであれば、1回1時間の練習時間であったとしても
感覚を思い出すための時間は、ウォーミングアップ含めても10分もかからないはず。
そう考えると、残りの50分は練習に充てられるので、
維持・後退を取り戻す時間 < 前進する時間のほうが多くなり
維持することはそんなに難しくありません。
また、2日に1回といえど、
何回も繰り返し弾いていると、記憶や手を動かす感覚が強固になってきて
どんどん忘れにくくなっていきますから
練習期間が長くなればなるほど、「2日に1回だから忘れてしまうかも」という心配は薄れてきます。
週に1回:維持は可能
だけど取り戻す時間が必要
では、週1になるとどうでしょうか。
平日はお仕事で忙しいから週末まとめて弾く、という社会人の方も
このパターンが多いかもしれませんね。
さすがに週1=7日に1回まで減ってしまうと
次に弾いた時の鈍り感は出てしまいます。
ので、「後退を取り戻すための時間」が必要になってきます。
また、弾きにくい部分や苦手な部分、
ちょっと無理やり弾けていた部分に、変なショートカット癖がついてしまったりもしやすくなります。
そうなると結構大変で、
一度絡まってしまった糸を紐解くように、
ゆっくり練習からやり直す必要が出てきます。

でも、全体的には「曲を忘れる」というレベルにはなりにくいので、
そこさえ乗り越えてしまえば、「弾けなくなっている」というほどにはなりにくい。
また、譜読み段階はどうしてもまとまった時間がより必要になるため
暗譜でスラスラ弾けるようになるまで、時間がかかってしまいやすくなるでしょう。
さらに、いくつか持ち曲があると尚更で、
隔週しか弾けていない曲なんかがあると、他の曲の記憶に上書きされることも相まって
もう、すぐに忘れてしまいます(T_T)
時間効率が下がるため
まとまった時間が必要になる
ですので、弾けて週に1回くらい、という方は
1回の練習時間の中で「修復のための時間」を(頻繁に弾けているときよりも)長めに取る必要が出てきます。
イメージとしては、「2日に1回」の時は、
1回の修復時間は10分くらいで済んでいたとしたら、
週1の場合は40分〜1時間くらい。
(長い曲や速い曲だともっと必要な場合もあります)
つまり、高頻度に練習していた時よりも
「前進と後退」のコスパは少し下がると考えた方が無難です。
月に1〜2回:かなり厳しめ
曲を覚えること自体がキツい
さらに、隔週以下(月に1〜2回程度)になってくると
さすがに維持は難しいのと、
このペースしか時間が取れないとなると、
そもそも新しい曲を覚えるまで至ることが困難になってきます。
新しい曲を覚える過程は尚更、前述した
「忘れる前に、また記憶を刷り込ませて強固にする」が大事になってきますので
なかなか耳や手に定着しにくくなってしまうのですよね。
わたしも月に1〜2回しかピアノに触れなかった、という時期もありますが、
そういう時はどうしても持ち曲を弾く自信がなくなってしまいます。
弾けないから楽しくない、
という悪循環になりがち
さらに、どの曲も中途半端にしか弾けないから自信がなくなり
弾いていても、劣等感というか、
「弾けなかった…」「できなかった」「もっと練習していたら」という無力感の方が大きくなってしまい
「ピアノを楽しむ」という体験を作るにはちょっと難しくなってしまいがち。
このくらいのペースになると、
新しい曲を積極的に覚える、というよりは
昔弾いていた曲をたまーに思い出して楽しむとか
人に聴いてもらうではなく、自分だけで弾くのを楽しむとか、
ごく簡単な曲のメロディーだけさらう、とか
そのくらいの楽しみ方が限度かな、と思います。
言い換えると、そういう用途の方であれば
月1〜2回でも楽しめるかもしれないよ、ということですね。
結論:維持するためには
週1回は必ずピアノに触ろう
毎日のように時間が取れるわけじゃない、
スタジオを借りたいけどレンタル料金が高くて…という方にとっては
- 短時間でも高頻度
- たまにだけど一度にまとめて集中練習
どちらにするかは迷うところですが、
全ての人がピアノ中心の生活をしているわけではないでしょうから、
どちらが良い悪いではなく、ライフスタイル次第になるかもしれませんね。
練習効率的には、記事でご紹介したように
日を空けずに、少しでもこまめに鍵盤に触って忘れないようにしておくのが記憶の性質上はベストですが、
家にピアノがない方だと、頻繁に行き来するとピアノスタジオまでの往復時間もかさむでしょう。
上記の記事にも書いていますが、個人的には、
- 期間を空けずこまめに:忘れにくい
- まとめて長時間:上達しやすい
という差があるように感じています。
↓木枯らしエチュードを思い出した時の集中練習の様子
この時も、日を開けずに練習を繰り返したのが
地味に効果的だった気がしています↓

(訳:週1くらいの練習ペースだったのですが、
上達度合いがイマイチだったので、翌日も6時間スタジオを借りた)
もちろん、個人の習熟度合いや曲の難易度にもよりますが、
1回の練習時間や曲の難易度にかかわらず、
最低限ピアノ維持に必要な頻度の目安としては、
週に1回はピアノに触っておいたほうがいいかもね、というのが
わたくし個人の体感も含めた見解です(^O^)
では、練習できる頻度や時間・回数を補うためにはどんなことができるか。
また続きの記事でご紹介してみますね!
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