脱サラしてこの活動を続けている傍らで、
ずっと続けさせていただいているアルバイトがあります。
このアルバイトがなかったら
ピアノに復帰すると決めてコンクールに出たり、
名前や顔や曲を出してブログを書いたり、という
今の自分はなかったと思っています。
切っても切れない関係の
音楽家とアルバイト
昔、学生時代にアルバイトをしていた時は
今の自分のように音楽活動をしながらだったり
趣味を優先するためにフリーターをしている人のことを
どこか心の中で憐れんでいましたが(申し訳ない)
10余年経って、気付いたら自分がそうなっていましたw
あまりにもたくさん出勤しているので
「カワグチさんって、お昼何やってるんですか?」とよく不思議がられますし、
因果応報で(?)自分もよく憐れまれますが
同情するなら金をくれ(^O^)
正社員が偉いのは、会社の中とクレジットカードの審査くらいで
会社を出ちゃえばわかりませんからね。
10年前となると尚更、働き方の多様性が浸透しつつある今よりも
常識に抗ってまでやりたいことを貫くって、風当たりが強かったでしょうに
当時の方たちを思い返してみるとすごかったんだな、と思ったりします。
切っても切れない関係の
音楽家とアルバイト
音楽家とアルバイトって
親和性がいいんですよね。
丸1日拘束されないから、時間と体力に余力を残せるし
副業もできますし。
(というか、アルバイトが副業か)
良いことが続いたその後
以前の記事で、
自分が自分であることをカウンセラーさんに受け止めてもらえたことで
自信がついたおかげか、立て続けに良いことが続いた、というお話を書きました。
★その時のお話はこちら↓
今回はそのすぐ後の出来事で、続きでもあります(^^)/
転職疲れのどん底で
ふて腐れて行きついた先
医療従事者は専門職ということもあり、
わたしは熾烈な就活競争を経験せずに社会人になりました。
なので、医療職をやめて転職したいと思いながらも
企業研究だとかエントリーシートだとか
就職するときのお作法をよくわかっておらず
(今でもよくわかっているわけではありませんが)
目先の条件や、声を掛けてくれた人の愛想の良さでサクッと決めてしまい…
いざ入ってみると、生活できない手取りだったり、昼休みがなかったり
いわゆるブラックで続けられなかった、ということを繰り返して
疲れて働くのもういいや、となってしまっていたのです。
どんどんお金も体力もなくなっていくし
職歴はどんどん短期離職で荒れていく。
頑張るほど空回りして搾取される。
夢より生活を優先してみたら…
もう、自分一人で頑張るのは無理だ。
稼ぎや夢を叶える前に、お金や命が尽きてしまう。
であれば、生活を安定させるのが先決だ。
と思い、始めたのが
婚活でしたw
(なんで「w」かというと、婚活をバカにしているのではなく
そんなに結婚したいと思っていないのに、生活のために
いきなり違うことをしようとした自分の一貫性のなさのためです)
家賃が半分になるだけでも、かなり助かりますし
(実際に養ってもらうか否かは別として)
扶養に入れてもらいながら転職活動したりもできますからね…
バイトと彼氏が見つかった
前回の記事のカウンセラーさんに電話したのも、この頃。
この人いい!!と思った人にメッセージを送り
1週間ほどして、ちょうどカウンセリングを受けた翌日に
よさそうなアルバイトが決まったうえに、
その人が気付いて返信をくれたのです。
婚活をこじらせて
思いもよらない世界に飛び込んだ
この頃は20代後半だったこともあり、
今やっておかないとその後の人生で後悔するかもしれない…と思い
せっかくなら一度ちゃんとやっとくか、という気持ちの婚活でした。
一度やってみたうえで
ダメだったりイヤだなと思ったら、納得いきますしね。
婚活はすぐやめた
しかし、元々結婚したかったわけではなく
生活を安定させたいという依存心だけで始めたので
結果的に言うと、その方ともほどなくして終わり、
自分は誰かと暮らしたいわけじゃないな、と気付いて
婚活自体も数ヶ月でやめました(^^;
一生懸命婚活されている方と比べたら
婚活とすら呼ぶに値しないくらいです…
ですが、この一連の謎の迷走が
思いもよらないチャンスのきっかけになってくれたのです。
彼氏がかまってくれないから
バイトを始めた
冒頭に書いた「この人いい!」と思った方とは
とんとん拍子で仲良くなった…と思いきや
ある時から、あまりかまってくれなくなりました。
(飽きられたパターンあるある)
ふて腐れたカワグチは、かまってくれないのであれば
暇潰し&気を紛らわすために、夜のバイトでもしてみようか。という発想に。
お金にもなるし、時間を有効活用できて一石二鳥。
と、以前から気になっていた、格式のありそうな
でも、ちょっと怪しげなバーの求人に申し込んでみることにしたのでした。
ピアノがあるお店を選んだ
というのも、そのお店の内装写真を見ると
ピアノがある。
自分が弾けずとも、ピアニストさんの演奏を日常的に聴いたり
ピアニストさんと接することができるだけでも
ピアニストの夢に近づけるんじゃないか!
そして、格式のあるお店なので、あわよくば出会いも期待できるんじゃないか。
という、不純な目論見でしたw
(ちなみにこの頃は、ピアノとの接点はほとんどなくて
いつか…と思ってコンクールを聴講しに行くくらいでした)
(画像はイメージです)
ふて腐れ飛び込んだ先が
理想の世界だった
半分やさぐれながら、勢いで応募してみると
次の日にお店の方が電話をくれました。
しかし、電話口の方
明らかにだるそう。
これは募集終わったんですよって断られるパターンだな( ;∀;)と思いながらも
面接はしてくれるとのことで、面接へ。
のちにこの電話の方は
破滅的な人生を漂流するカワグチを何度も助けてくださり
恩人となる方なのでした。
無言の神面接
お店に行くと、電話をくれた方が面接してくれて
案の定、人足りてるんですよねぇ…というお話をされました。
ただ、わたしは生活費を稼ぎたいというよりは
華やかな夜の世界を見てみたいという、単なる好奇心(とやさぐれ)だったので
「あのっ、私、稼ぎたいというよりは
ここで普段できない経験を積ませていただきたいと思っていますっ」
と、ぶっちゃけてみることに。
なにも聞かれてないけど…?
面接してくれた方は
履歴書とカワグチを無言で交互に見ること数分。
何を聞かれるのかドキドキしながら構えて待っていると
「…採用でいいですか。」とニヤリ。
えっ、まだなんも聞かれてないけど。
いいの…?!w
無事に、というか
ほぼ無言で採用してくれました\(^o^)/
何も詮索されず採用してくれた
この頃は、バイトとはいえ
履歴書を持参しての面接が恐怖でした。
地元では知名度のある大学を出ていて、資格も持っているのに
学歴も職歴も関係ないことをしようとていたので
ま~ぁ、人は色々言ってくるのですよね。
言いたくなるのも無理もありませんが
明らかに面接官個人の好奇心だったり
「それ、これからここで働くのに必要?」ということまで
根掘り葉掘りされることにうんざりしていたのです。
医療の仕事も、あまり円満退職じゃなかったので触れられたくなくて
前職の話を振られるたびに、内心傷をえぐられて
いやな気持ちで帰ってくることも度々ありました。
しかし、今回は責められるどころか
なにも聞かれなかった…w
後にも先にもない、神面接でした。
さすが接客業のプロですね。
「環境を買う」なら
アルバイトもあり
そこからWワーク人生が始まり
そのお店は、結果的に
長く働かせていただいて、今に至ります。
身構えていたような、水商売でも怪しいお店でもない、健全な(?)お店でして
コロナ禍の営業自粛攻撃はあれど
数年経った今も、楽しく気ままに働かせていただいています。
新卒で勤めたところで5年間働いたのですが
もはや、同じくらいの在籍期間になろうとしているのでビックリ。
※何のキリンかわかった方は、なかなかのお酒通です(^O^)
自分がなりたい理想像と
近い環境に身を置く
ところで
自分が弾けずとも、ピアニストさんの演奏を日常的に聴いたり
ピアニストさんと接することができるだけでも、ピアニストの夢に近づけるんじゃないか!
冒頭のこの目論見はというと…
大正解でした!(^O^)
ピアニストさんとお話させていただいたり、
間近で美しい生演奏を見させていただくことで
「自分もあんな風にステージに立ちたい!」という欲が出たり…
日常的にステージを見ていたことで、
自分にもそれが実現できるかもしれないと思えたこと。
それ自体が、ちょっとやそっとお金を払っても得られ難い
収穫だよなと感じます。
普通に会社とか病院とかで働いていたら、
きっとこうは思えなかっただろうなって。
(それでも自主的にやれる人はやるでしょうが、
自分はそこまで主体的に自信や行動力は持てなかっただろうなと。)
堕ちるところまで落ちると
好転するもの
「陰極まれば陽に転ずる」
という言い伝えは、あながちわかるかもなぁと思っていて。
堕ちるところまで落ち切った真っ暗闇で
やけくそになって、物凄いエネルギーが湧いたり
逆に、もう無理どうにでもなれ、と諦めきってしまった絶望の底で
思わぬところから救いの手を差しのべられたことって、不思議とありませんか?
わたしはけっこうあったりするのですよね。
きっと、波乱や逆境で力を発揮しやすいみたいな性格なのでしょう。
あっという間に夢が叶った
クラシックピアノに復帰を決めて、コンクールに応募したのは
このアルバイトを始めてから3か月後。
「人生でもう一度、ステージでピアノを弾きたくて
15年ぶりにコンクールに応募しました!
ショパンエチュードを弾きます!」
とお話しすると
実は同じバイト先に、ピアノの先生や音楽を専攻していた方がいることがわかり
家にピアノがないわたしに、ピアノを弾ける場所を教えてくれたり
レッスンしていただいたり、衣装を貸していただいたり(しかも大好きなマゼンタ!)と
自分一人で無謀な挑戦をしようとしていたところを、手助けしてくださったのです。
(おそらく、ブランク14年からのエチュードという
あまりの無謀さに心配してくれたのでしょう笑)
その半年後には、
全国大会のステージでショパンを弾くことができていました。
(アマチュア部門ですけれどね)
★その時演奏した曲と動画はこちら↓
(動画は本番のものではありませんが)
意外な場所から助け舟をいただきながら、自分でも驚くほど
あっという間に夢が叶ったのです。
副業に後ろめたさを感じなくなり
常識の殻を壊せた
また、副業やWワークなど、掛け持ちして働いている方も多く
色んなお仕事や人生経験を経た方がいらっしゃったので
お話させていただいても面白いし、
フリーターという後ろめたさも気にならなくなってきたのでした。
おかげで今、こうして堂々と
アウトローな生き方ができるようになったわけです(^^)/
飲食バイトは
音楽家・夢追いさんにおすすめ
夢を追う人や趣味を優先したい人には
飲食バイトは、個人的にとてもおすすめです◎
実際に、飲食店で働かれていたり
下積み時代に飲食で働いていた音楽家さんも少なくないのではないでしょうか。
これまでわたしもバイトを色々してきて
実際に現場を見てきた中でおすすめもありますので
おすすめのバイト編として、別の記事↓にご紹介しました★
まとめ:不純なきっかけが
予想外の可能性を運んでくれた
結果論ではあるのですが
好奇心とやさぐれという不純な動機で選んだお仕事が、
お給料がいいとか、雇用形態だとか、社会的地位とか
そういう、損得や頭で選んだ仕事よりも、長続きしていていることに驚いています。
アルバイトを始めた頃は、まだピアノに復帰しておらず
漠然と、個人でなにかを発信したいと思いつつ、
何をしたらよいか定まっていませんでした。
まして、ピアノで稼いだり、名を上げるなんて
音大も出ていない自分にできるわけないと除外し
別のことで何かネタないかなぁと探していたのですが…
第二志望って、ちゃんと失敗するようにできているものですね。
計算しつくした成功は
予測不能な「楽しい」に敵わない
一つ確かに言えるのは、
チャンスは楽しいところから生まれる、ということ。
数字至上主義で打算で動いていたり
苦しい顔をして我慢しながら努力を続けていても
楽しくやっている人には敵わないよなぁと。
(少なくともわたしには打算や我慢は向かなかった)
というのが、どん底期に開き直って気分で選んで巡り合ったお仕事と
運と人脈に味方してもらえて実現できた、ピアノ復帰の裏話でした(^^)