ブランクを経て復帰したピアノ弾きが
固定観念を破りながらやりたいことと向き合う過程を共有します

クラシック楽譜を無料で入手。
パブリックドメインDLサイト「IMSLP」の使い方をご紹介します

こんにちは、ピアニストブロガーのカワグチです!

以前から何度か、スタジオに楽譜を持ち歩くときは
紙の楽譜ではなく、iPadに電子楽譜を入れて使っており
軽くて便利だよ!ということを記事でご紹介していました。

【楽譜・メトロノーム・撮影録音】音楽演奏に必要な機材をiPad一台で完結させる可能性。

PDF形式の電子楽譜をダウンロードして表示しているのですが、
一体どこでダウンロードしているの?と気になっておられた方もいらっしゃるかもしれませんよね。

そこで本日は、いつか書こうと思ってまだ書いていなかった内容で、
クラシック楽譜をダウンロードできるサイトと、その使い方をご紹介したいと思います(^^)/

楽譜の著作権とパブリックドメイン

ご存知の方も多いと思いますが、「著作権」というのは何かというと、
作った人に権利があるので、タダで勝手に持ってったり配ったりするのは泥棒になるよ〜という権利のことで
特に、デジタル化できるような音楽やイラストなどのアイデアを具現化したものは
技術的にはコピーしようと思えばできてしまったりするので、注意が必要だったりします。

しかし、著作権はその著作者が亡くなって50年または70年経つと、著作権者不在の著作権切れとなり
みんなの公共物として配布しても大丈夫だよ、という権利になります。
(著作権以外の、他の知的財産権で保護されている場合もあります)
この、著作権切れしたコンテンツは、「パブリックドメイン」と呼ばれます(^^)b

特に、クラシック音楽というのは、100年以上前に作曲された曲も多いですから、
パブリックドメイン、つまり、無料でDLできてしまう楽譜は多いということです。

※著作権やパブリックドメインのより正確な定義については、
公的な文献や資料のほうがより正確ですので、詳しくはそちらの説明に譲りますね
→パブリックドメイン:Wikipedia

今回は、その、パブリックドメインの楽譜や音源を集めたダウンロードサイト、
「IMSLP」というサイトをご紹介いたします!

わたしはいつもクラシックの電子楽譜はこちらのサイトさんからいただいており、
楽譜は無料でダウンロードができます。(任意でサイトに寄付もできます)

パブリックドメインの楽譜配布サイト
「IMSLP」で楽譜の探し方

IMSLPは元は海外サイトですが
一部日本語訳されている部分もあり、なんとなくどこに何が書いてあるかわかる感じです。

前はもっと英語ばっかりだった気がしますが、
だいぶ日本語訳された箇所が増えた気がします。

作曲家からアルファベット検索

今回は楽譜を入手したいので、「Score」から行ってみましょう。
楽譜はたくさんあるので、「作曲者から」で絞り込むのがおすすめです。

こんな感じでアルファベット順の索引が出てきます。
このへんは海外っぽいですね。

日本人的には、作曲家のスペルがわからないと探しにくいのと、
FirstNameで探すかLastNameで探すのか迷うのですが
とりあえず、今回はショパンさまの楽譜をDLしてみましょうか。

FredericかChopinか迷うのですが、「Chi」からとりあえず探してみます。

ありましたね!
ショパンさまの作曲家ページが表示されました。

下にスクロールすると、ショパンの曲一覧が出てきます。

エチュード、ポロネーズ、スケルツォ、幻想即興曲…
最高な品揃えですね(^O^)
どれにしようかな。

今回は、小学生の頃に弾いた「3つのエコセーズ」をDLしてみることにしましょう。
ショパンさまにしては珍しく明るく軽快な曲です。

Eの欄の、「3 Ecossaises, Op.72 No.3」をクリックしてみます。

音源がある場合もある

全部ではありませんが、曲の視聴音源が格納されている場合もあり
音源がある場合は、下記のようにプレイヤーが表示される曲もあります。

どんな曲かわからないとか、この曲で合ってるか自信がない場合は便利ですね!

今回は楽譜なので、下にスクロールしていって「Scores」というところを見てみましょう。
色々な版の楽譜が出てきました。

曲集もピースもある

ちなみに、Complete Scoresと書いてあるのは、
曲集や楽章ものであれば、1つのファイルに全曲入っているものと、
1曲分だけが入っているファイルがあります。

まとめて全部欲しい時は全部入っているものでもよいですし、
曲集だと毎回その曲のページまでスクロールして探さなきゃないので、
バラバラに1曲ずつDLするというのも、それはそれでアリです。

ちなみに、表紙や巻頭の目次っぽい部分から入っているものもあります。

著作権の種類を確認しよう

ちなみに、中にはクリエイティブ・コモンズといって、
完全に著作権を放棄したわけではないものや、用途に制約がある場合があります。
著作権の種類は一応チェックしておくのがよいでしょう。

パブリックドメインと
クリエイティブコモンズ(CC)の違いとは

クリエイティブコモンズというのは、
著作権保護されていないパブリックドメインと、著作権保護された著作物の中間のような位置付けで、
いくつかの段階ごとに定められています。
商用利用はしないでねとか、使う時は明記してねとか、何かしらルールがあるものもあったりします。

ご自身のピアノ練習のために使用するだけであれば、まず問題になることはほとんどありませんが
他の人に配布したり、自分の広報物に印刷したり、
楽譜に対してなにか加工を加えて販売したりするとなると、
権利の種類によってはルール違反になる場合もあります。

→もっと詳しくはこちら(Creative Commonsサイト)

一番無難なのは、「Public Domain」と書いてあるものを選ぶことでしょうかね。

いよいよ楽譜ファイルダウンロードしよう

さて、お気に入りの版を見つけて、Public Domainも問題なさそうであれば
いよいよダウンロードしてみましょう!

わたしは楽譜の画質がよさそうなこちらにしてみました。

たまに画質不良なファイルもある

ちなみに、スキャンしたデータだからか、
書き込みが入っていたり、斜めに曲がっている楽譜もたまにあったりしますw

ダウンロードするのは
「Complete Score」と書いてある部分をクリックするとダウンロード画面に進めます。
わたしはいつも「PDF」と書いてある部分を間違えて押してしまうので、自分用備忘録に。笑

【任意】寄付の画面が出てくる

いよいよダウンロード!と思いきや、
「あなたの助けを必要としています」という画面が出てきます。

フィッシングサイトに飛ばされたかとちょっとビビるのですが、
これはIMSLPへ寄付を募る画面で、支払いや登録も強制ではありません。

無料でDLしたい方は、15秒くらい待つと、ダウンロードリンクが出現します。
(画面上部に小さくカウントダウンがあります)

ちなみに、寄付するとなると、会員登録して月額または年額で寄付できるようです。
出世払いでよろしくね!(^O^)

いやでも、けっこうたくさんDLさせてもらって助かっているので
いつかちょっとくらい寄付してお返ししたいなぁとは思っていますよ。
月間3.49ドルなら、楽譜1ピース買うのと同じくらいですもんね。

ということで、寄付を求める画面で15秒(くらい)経つと、
カウントダウンがリンクに変わりましたね。

「ダウンロードを再開するにはこちらをクリックしてください」を押すと、
いよいよ楽譜ファイルが表示されます。

寄付の表示画面で待つと
楽譜ファイルが表示される

PDF形式で楽譜が表示されます。
読みやすそうなきれいな版です、よかった!

たまにここで表示してみて、微妙だなぁとか見づらそうだな〜と思ったら、
戻って別のスコアを取り直すこともあります。笑

iPadへのPDF保存方法

表示のされ方やダウンロード(端末に保存)の方法は、
閲覧した端末によりますが、
一例として、iPad端末でのPDFの保存方法をご紹介しますね。

iPadは右上の共有アイコンをクリックすると保存や送信などができますが、
そこに「端末に保存」的なメニューが出てこない場合は、
一度「印刷」というメニューを選んでいただくと、出てくる場合があります。
(実際に印刷はしなくてよい)

一旦印刷するふりして、印刷メニューを押してみると
印刷プレビューが出てきます。

その画面で、もう一度右上の矢印アイコンを押してみましょう。
ちなみに、ページは(いらないページ以外)全部選択された状態にしておいてね。

すると、”ファイル”に保存というメニューが出てきます!

もしかすると、普段お使いのメニューや端末の設定などによっても変わるかもしれませんが、
まぁ、いざとなったら自分のアドレスにメール送信するでもよいかもしれませんね。

電子楽譜は持ち歩けるので便利

なお、パブリックドメインのPDF形式の電子楽譜は
無料というだけでなく、ダウンロードできる形式の楽譜って、
iPadなどにインストールしておけば、重たい紙の楽譜を持ち歩く必要がなくなります。
(まぁ、iPadもそこそこの重さはありますけれどね。笑)

10.9インチ「iPad Air」は電子楽譜として使えるか。【結論】やや小さいけど楽譜が超軽くなりました

また、iCloudやOneDrive, Dropboxなどのクラウドストレージに保存しておけば
端末を選ばずに、楽譜のデータをいつでもどこでも取り出すことができ、
いざ楽譜を忘れた時や、外出先でちょっと確認したいとなったときに、表示したり印刷することもできるようになり
小回りが効いて便利です!

著作権のある曲は販売サイトで購入しよう

一方で、作曲家さんがご存命で著作権保護された新しい曲や
現代のポピュラー曲のアレンジも、有料ではありますがダウンロード販売しているサイトもあります。

わたしはヤマハ「ぷりんと楽譜」さんをよく使っています。
ジャズアレンジはできないので、ここでアレンジ譜を買ったり、
耳コピしたりピアノソロに落とし込むのがちょっと大変そうな話題のポピュラー曲は
ぷりんと楽譜さんの楽譜をサクッと購入させていただいています。



1曲500円前後くらいで、あの曲弾きたいと思ったらサイトで検索して買えるのでとても便利です。
弾いてみた曲はこんな感じ↓です

はつ恋(福山雅治)ジャズアレンジVer

また、アレンジ譜は難易度も初級から上級まで色々ラインナップがありますので、
ちょっと弾けたら嬉しい方から初心者っぽい演奏にしたくない!という上級者まで
色んなニーズを満たしてくれます。

ダウンロードして電子楽譜として見ることも、
コンビニで印刷することも、どちらも可能ですよ。
発売元はさすがのヤマハさんですから、もちろんクラシックの楽譜の品揃えもあります。

まとめ:クラシック楽譜が無料で入手できる

偉大な作曲家さんが命をかけて作った名曲を
タダでいただくなんて、なんだか申し訳ない気もしますが、
その作曲家さんたちが作った曲やいい音を受け継いで広めていくのが、
後世のタダ乗りしたわたしたちの使命かもしれませんね。

スカルラッティのソナタを探すときは要注意

あ、これは余談ですが、
今回はショパンさまの曲を一緒に探しながらご紹介しましたが
このサイトからスカルラッティのソナタを探したときは大変すぎて地獄を見ました。

というのも、スカルラッティソナタは555曲(!)もあり、
曲名が全部「Keyboard Sonata」なので、見分けがつかないのですよw
かろうじて調がわかっていても、同じ調の曲もたくさんあるし、
どれを見てどれをまだ見ていないのかわからなくなってからが闘いの始まり(^O^)

あらかじめ曲番号をなにかの方法でお調べになってから探されることをおすすめします〜( ;∀;)

カワグチは他のサイトで音源を聴きながら、
お目当ての楽譜を見つけるまで3〜4時間くらいかかりました。

【スカルラッティ沼】555曲!ソナタ曲数が多すぎて探すのが大変だった話

 

ということで、パブリックドメインの曲を無料でダウンロードできる
「IMSLP」をご紹介させていただきました。
余力のある方はぜひ素晴らしいサイトさんを助けてあげましょう!

3つのエコセーズも弾いてみましたらまたご紹介します(^^)/

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